なまけるりょうせいるい

ドイツと銃とバイクとドイツ刑法とアメリカについて語るウーパールーパー

キラキラドイツ留学ブログです、嘘です。好きなことだけ書きます。

「極左」と「極右」が第一、第二党になったドイツ州議会選

つい数日前、ドイツの旧東ドイツ地域にあるテューリンゲン州の州議会選が行われました。

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結果はこんな感じです。補足すると、SPD社会民主党、CDUはキリスト教民主社会同盟のドイツ語の略で、それぞれドイツの国政では二大政党を伝統的に担ってきました。CDUはメルケルが所属する政党で、二党は大連立を組んで国政で与党になっています。
左翼党はその前身政党がSEDドイツ社会主義統一党)という東ドイツで独裁体制を担っていた政党で、がちがちの左翼。最近だと住宅の家賃に制限をかけるとか言ってました。主に旧東ドイツで勢いがあります。
AfDは移民難民反対、反ユーロを掲げるいわゆる「極右」政党です。これを極右と呼ぶかは実は結構論争のある所ではありますが、ドイツもイギリスのBBCも日本も極右って言ってるので一応極右政党ってことにしておきます。わかりやすいし
緑の党は環境第一政党です。FDP(自由民主党)はリベラルって書いてありますが、日本でいう「リベラル」じゃなくて、ヨーロッパで言うリベラルなので、ネオリベラリズムのリベラルです。新自由主義、大企業、減税万歳みたいな政党です。

 

これが何を意味するか日本に置き換えると、日本共産党が県議会で第一党、右派ポピュリストが第二党、自民党がその次に来る、みたいな感じの衝撃です。そしてついでに立憲民主党が見る影もなくなっているという感じです。

難航しているのが連立交渉。元々は左翼党、SPD緑の党という左翼っぽい政党が集まってこの州では連立を組んで政権与党になっていたようですが、今回の結果ではそれに届かず。定数90で過半数は46、3党合わせても42議席。ここにFDP(5議席)を加えて政権を取るという第一の案があるみたいですが、FDPは嫌がってるみたいです。正直FDP加えて上手くいくわけがない

そもそも前提として、ドイツでは反民主主義的としてみなされてるAfDはどの政党からも連立を拒否されています。本当に骨の髄まで反民主主義的だと党の存在が憲法違反として憲法裁判所に解散させられるので控えめですが。(ドイツ共産党とかは実際に解散させられてます)

そして二つ目の案がCDUと左翼党の連立。どう考えてもうまくいくわけねえだろ。ただCDUで大いにもめているらしく、国政レベルでは党幹部がゴーサイン出しているものの、テューリンゲン州のCDUや国政レベルでもかなり反対が大きく、無理と突っぱねているとか。

三つ目の案がCDUとAfD(とあと多分FDP)の連立。ぶっちゃけネット上でもさんざんファシストとなじられているAfDとの連立は禁じ手であり、論外とされてきました。ただ、CDUでは左翼党と組むかAfDと組むかでものすごくもめているみたいです。左翼党と組むよりかは運営自体はうまくいきそうな気がしないでもないが、リスクがあるので所詮州議会選ではこれはないんじゃないかなあとみています(極左ファシストとか言う地獄のような選択肢、どっかで聞いたことあるな

四つ目の案が左翼党、SPD緑の党少数与党にとどまるという説。ぶっちゃけかなりありそうなのでこまる。

 

という感じです。この連立の組み方でドイツの政党の方針転換などがわかるので、個人的にはかなり注目しています。

 

ちなみに、テューリンゲン州のAfDトップを務めるBjörn Höckeは、「移民に厳格で」「WWIIなどの負の歴史に対して自虐的ではなく」「文化的に一体性を保っている」工業国である日本を高く評価していて日本の道を見習えっていってるんですよね。まあそうすると日本がAfDを極右っていうと日本はどうなるんだということになるという()しかも彼、喋り方がめっちゃナチっぽいので余計ファシストいわれてますね

↓その動画(59:30ぐらいから日本について言及)